楽しい日
楽しかった日があると、辛かった日の私はどんなだったかなと思い出してみる事がある。
母と別れたあの日は間違いなく私の人生で辛い日ナンバーワンだと思うのだけど、病院に駆けつけてもう息をしていない母と対面した時の事は思い出せるけど、あの日どんな風に自分が眠りについたのかはもう思い出せない。
毎日のように母を想って鼻の奥をツンとさせる。
けれど実家近くのスーパーやそこに行くまでの道のり、止めたくても涙が溢れてしまう事はもうない。
なんだかそれが嫌で、わざと記憶をひっぱりだし脳内で涙腺を刺激するナレーションをつけて再生し、涙を流す愚かな私がいる。
母はそんな私を見て苦笑いしているかもしれないな。